大名跡とビッグネーム。

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初めて名古屋御園座へ行った。

『桂文枝襲名披露公演』。
ご存知、前桂三枝さんの六代目桂文枝襲名披露公演。
周知の通りタレントとしての活動や創作落語を得意とする落語家「桂三枝」という名前は、すでに知らない人がいないくらい大きな名前だ。大名跡『文枝』と、ビッグネーム『三枝』。この橋渡しがどのように行われるのか大変興味があった。
ご本人は照れながら「やってることは、変わってないんですけどね。」と、その最重要ポイントは彼らしい言いまわしでサラリとかわされてしまった。
舞台袖に集まる客の視線を裏切って花道からピンスポで登場、他の噺家さんにはないキザで粋で独特な首の角度‥‥。それらを目の当たりにすると、空いてしまったビッグネーム「桂三枝」の方は誰も継げないんじゃないかな、とも思ってしまう。
その主役が登場する前の檜舞台は、差し詰め東西両海岸のジャズミュージシャンのセッションのようだった。客演と言ってよいのだろうか、関東の巨人ふたりと、それを迎え撃つ吉本100年の歴史を背負う上方勢。それぞれの演者のソロは凄まじく、前の奏者のフレーズを少し拾ってクイ気味に演奏に入る様は、まさしくジャムセッションそのものだ。特に関東の巨人ふたり。
立川志の輔さん。NHK「試してガッテン」でお馴染みの、文枝さんの向こうを張る創作落語の東の雄だ。「故立川談志の代理で参りました」と静かで謙虚な出だしから、絶妙な間と節まわしで瞬く間に観客を自分の世界に引き込んでいく。
かたや柳亭市馬さん。相撲呼びたしから相撲甚句、歌舞伎の台詞回しにいたるまで、よく通る美しい声。それに伴う色っぽい手の所作など、まさに保守本流。立川流重鎮と落語協会副会長。このふたりの絶妙なバランスだけでも面白い。
またその熱演はお祝いムードのかけらも無く、トリの文枝さんを喰う勢いだ。このあたりが芸事の厳しさと、相手に対するマナーなのだろう。
楽しかった。
どんなものでも本物はいつでも楽しく勉強になる。また、末広亭に行きたくなった。

自慢の美白。

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『ポリマーシーラント』。

新車で購入した時から、毎年欠かさず施工してもらっているコーティング。おかげで13年を経過した今でもかなりの美しさを維持できている。
写真白い方が『スーパークリーナー(シャンプー)』、青い方が『ポリアルファ(メンテナンスクリーナー)』。
白い方で洗って、乾かないうちに青い方で拭きあげれば、簡単に仕上がる。軽い汚れなら、もちろん水洗いだけでOKだ。
前の車(先代の白いスープラ)の時は、ありとあらゆる洗車方法を試した。
その頃は洗車やワックス掛けに割く時間がほとんど取れなかったため、最初に試したのが自動洗車機。これは明らかに失敗。
水アカが縞状に残ってしまった上に、硬いブラシによって新車の柔らかな塗装面は細かいキズがびっしり。洗車機を出てきた愛車はまるで、玉手箱を開けた浦島太郎のようだった。その後はそれに懲りて、スタンドで手洗い洗車とワックス掛けをお願いしていた。一回あたりにかかる費用が高く、洗車頻度が高くなるとかなり出費がかさむ。そんな涙ぐましい経験から、今の車には最初からこのコーティングを選んだ。
費用はそれなりにかかるが、一年に一回で済めばこちらの方が経済的で効果もはるかに高いといえる。オススメである。

文楽と外食産業。

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今日は友達と久々の飲み会だった。
店を決めていなかったため、ウロウロしている途中で見覚えのあるロゴをみつけた。十年以上前に仕事で関わったことのある店だ。当時流行りの落ち着いたネオジャパネクス調の鳥料理店だったと記憶している。>全く知らないところよりはいいだろうということで、入ってみることに。
入ってみてビックリ。カウンターの中にはロン毛茶髪のイケメン(?)がズラリ。調理そっちのけでカウンターの客と写真撮影などで大騒ぎ。ポンという景気のいい音と共に次々と開けられるシャンパン。その度に「シャンパン入りました~」と気勢をあげる彼ら。ここはホストクラブかと見まごうばかり。
お店の良し悪しのことを言っているのではない。これはこれで確かに需要はある。現にカウンターの若い男女は大喜びだ。
そこで思い出したのが、昨日ネットのニュースで読んだ橋下大阪市長の文楽批判。「ファン獲得のために演出を見直すべきだ。」。
>前出のお店は、ファン獲得の為の企業努力の結果こうなったはずだ。、文楽も努力して演出を変えるべきなのか?
それによって、いちばん大切なものを無くさなければいいが。「長い年月をかけて培ってきた伝統芸能の価値」と、「美味しい料理と、心地よい空間で客をもてなす心」。これらは一度失ってしまうと、取り戻すことが大変困難なことだけは容易に想像がつく。

「ecoマーク」乱立。

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我が愛車を定期点検と、毎年恒例のコーティングに出してきた。
帰りに借りた代車は新しくてカワイイ軽自動車。イマドキの軽自動車は侮れない。
私のクルマより広い、乗り降りしやすい、収納スペースが多い、燃費のよさは言わずもがな。
ただその新しさ故、謎が多い。渡されたキーに金属部分が無い。
ドアの開け方、キーのかけ方、エンジンのかけ方、その全てが分からない。
ベンチシートにコラムシフト。免許をとってからマニュアル車にしか乗ったことのない私は、
オートマチックというだけで苦手なのに、「D」レンジの下の「S」と「B」は何?
その上に時折出てくる「eco IDLE」と「eco」マークは何?
アイドリング中のエンジン停止、はたまた突然の始動。そのきっかけすら分からない。
この代車にはついていなかったが、当然カーナビの使い方もよく分からない。
こうなると、自分が本当に免許証を持っているのかどうか怪しくなってくる。
ちょっとづつ謎が解明され、使い方に慣れたころにはすでに駐車場。
やれやれと思いつつ、タワーバーキングに代車を入れると
今度は駐車場の警告灯が追い討ちをかける、「車高注意」「後退せよ」。
このコンパクトな軽自動車は車高がやや高い。
ターンテーブルのついたタワーパーキングをバックで出たのは初めてだ。
謎の軽自動車との顛末には、慌ててディーラーさんへ駈け戻るというオチが待っていた。

イッセーさん、一人芝居最終公演。

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「とったどー!」

イッセー尾形さんの一人芝居最終公演、原宿クエストホール。「チケットとれたっ」と思ったとたんに、桃井かおりサンとの二人芝居と一人芝居共々追加公演決定のお便りが…。だよね、やっぱり…。
しかも私が観に行く予定の公演日の前に入っている。大丈夫だろうか? 還暦を迎えたことを理由に、一人芝居を暫く休演されるイッセーさん。くれぐれもご自愛された上で、最終日の完全燃焼を期待しています。ちなみに、写真にある名キャラクター「アトムおじさん」は、生で観たことがない。もちろん、最終公演には姿を現してくれるだろうと期待している。

離夢人とは。

ブログ”離夢人”はじめた。ブログ”最上階の角部屋”に続いて2本目。

こちらではクルマに関することを書こうかと思う。が、私の車は新車から乗っている平成11年製のトヨタスープラ。シガーライターをUSBコネクタに替えた以外は、ほぼカタログモデルだ。
クルマをいじるネタもなく、速く走るネタもなく、ブログのテーマにするには何とも心許ない。

クルマはオリジナルのままがいちばん美しい、と信じている。元来百戦錬磨のプロの作り手のセンスに、素人がかなうはずがない。街を走るドレスアップカーという類のものを見れば、答えは明らかだ。
特殊な例を除いて、欧米の映画などに登場する日本車が、日本で走っているものと同じなのかと疑問に思うことがしばしばある。それらは素っ気ないほどシンプルで、色味の関係もあって見事に風景に溶け込み美しい。余計な手が加えられていない故の結果だろう。

『離夢人』とは、私が高校生の頃乗っていた自転車につけた名前。ブリヂストン製で輪行仕様のランドナーというタイプのものだった。今時はあまり流行らない小旅行用だ。
アルファベットのシールをフレームに並べて貼っていた。スペルはLimousineではなくRimjin。そこはリムジンではなく、あくまで離夢人だったのだ。

ほら、クルマの話を書くといっておきながら自転車の話になっている。もうすでにブログの住み分けが怪しくなりはじめている。大丈夫か?私。

【2015年1月23日追記】
ブログ『離夢人』はブログ『最上階の角部屋』のカテゴリー「car(リムジン)」として併合しました。

レーザーディスクでの最後の映画。

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「まだ動いた」正直な感想だ。

観てみたのは、映画『インデペンデンス・デイ』。レーザーディスクで買った最後の映画だ。
媒体自体は内容に比して、豪華2枚組でずっしりと重い。3面に渡る長編映画だ。
ハードの方も、長い間電源すら入れていなかったにもかかわらず何の問題もなく再生してくれる。最近のものと違い、駆動部等のしっかりとした造りや安定感のある動きには新鮮さすら感じる。
それに引き換えその画質たるや‥。当たり前だがこの部分だけはいかんともし難い。

この連休に敢行した断捨離で、残っていたアナログレコードを全て処分する。
これらは、以前アナログレコードを出張買取してもらった際に引き取りを拒否された数十枚だ。
レーザーディスクは、DVD・BDで買い替えたもののみ処分しようと思う。
この映画『インデペンデンス・デイ』は、期待が大きすぎたせいか、
その外した度も並外れていたので、買い替えすることなく処分しようと思う。

コルトレーンと足穂。

ジョン・コルトレーン『Steiiar Regions』聴きながら、稲垣足穂を読むと‥。

綿菓子みたいなもの。そこに漂っているものをただひたすら絡め取り、
自分の思うままに紡いで、予期できないタイミングで宙に放ってみせる。
それを受け取るか、地に落ちるまま見過ごすかは受け手次第。
全く媚びていない。Art? そんな定義すらもうどうでもいい。
運よくそれを受け取ることができれば、それを判断する資格を得る。

瓦解していく哀れな既成の価値観を笑いとばしながら、
自分の頭の中からちっぽけなエセを追い出し、ただ身を任せていればいい。
しばらくブームが続きそうだが、危険な組み合わせであることだけは確かだ。

富山県立近代美術館へ。

来週、富山へ行こうと思う。

富山県立近代美術館へ『第10回世界ポスタートリエンナーレトヤマ2012』を観にいく。
3年に1度のこの公募展に、最初に行ったのはいつだったろうか。
>猛烈に暑かったことだけは覚えている。富山はこの時期フェーン現象でとにかく暑い。
名古屋のジメジメした暑さとは違い、フライパンの上で炒められているような暑さだった。

最初に行ったのは事務所勤めの頃。その後、独立してからこの美術館へ行ったおり、
経費を会計処理する際に、会計事務所の担当者さんから問いつめられた。
「この方はどなたですか? ご関係は? ……トヤマチカミさん。」
と聞かれ、ドギマギした私は「ひ、ひとではありません……」。
>私はこの時かかった経費を、「富山近美」と省略して帳面に記載していたのだった。

ここ数回は行けていなかった。その間に美術館自体も変化しているようだ。
2011年に「ミルゾー」というマスコットキャラクターができている。
永井一正氏のデザインによるものなので、
まさかゆるキャラとは呼ばせていないだろうが、ちょっと心配ではある。

諸々に想いを馳せながら、幻の富山近美さんに会いに行く。

『一千一秒物語』

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『一千一秒物語』稲垣足穂著。

恐るべし。まだ読みはじめたばかりだが、恐るべし。
地下鉄のホームで読んでて、目の前に車両が到着したのに気づかなかった。
冒頭の『一千一秒物語』には句読点がない。
その不思議なリズム感であっという間に異空間に引き込まれる。
出勤途中に読むのはいかがなものか…。
出だしから、一日のリズムがおかしな調子になってしまう。